盛岡のCafeJazz 開運橋のジョニー 照井顕(てるい けん)

Cafe Jazz 開運橋のジョニー
〒020-0026
盛岡市開運橋通5-9-4F
(開運橋際・MKビル)
TEL/FAX:019-656-8220
OPEN:(火・水)11:00~23:00

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幸遊記NO.489 「小栗均のラストレコーディング」2020.6.1.盛岡タイムス
 1980年前後に来演していた新潟のベーシスト・羽生英一さんから手紙と5枚のCDが届いた。「お知りかもしれませんが、小栗均さんが忘くなられて1年になり、メモリアルCDが完成しましたので、お送りさせていただきます、お収め下さい」で、僕はエッ!知らなかった…と彼に電話。CDは「小栗均ソロピアノ・ライブ・アット・JAZZ・FLASH」である。とても心地良い演奏。コロナ自粛で店ヒマをいいことに僕は毎日何度も聴き続けている。そこへやって来た常連の青木嘉賀利さん「この演奏もしかして山本剛さん?」と僕にたずねた。その時、彼の耳の確かさに僕は驚いた「そう!これは山本さんの師匠だった人の演奏だから」。「へえーっ!」と彼。
 小栗均さんは1934(昭和9年)新潟県見附市生まれ、長岡商業高校卒業以来、新潟でだってジャズは勉強出来る!という信念を持ち、一貫して聴者の耳に心地よく響く音色を求め続けた人。CDにコメントを寄せた辻数弘氏によれば、ジャズピアニストとして至難の技である“ことばを音で表現する”ことを探求し続けた演奏家であった。僕が彼の事を知ったのは‘80年、彼の演奏をカセットに録音して新潟から持参したのは教師だった高見翆さん。その演奏を聴き、レコーディングを決意。’81年落成したばかりの住田農林会館で録音し「みどりいろの渓流」としてジョニーズ・ディスクより発売した。
 当時はフュージョン全盛時代。5作目「海を見ていたジョニー」、6作目の本作品ともにジョニーズ・ディスクは、後ろ向きなスタンダードに逃げた!などと酷評された記憶!ところがジャズ批評誌の131号(2006)の和ジャズ特集(1970~1990)百選にどちらの作品も選ばれたのは、四半世紀もの間に流行は自然淘汰され、ホンモノだけが残され磨かれ続けてきたということ。今作の追悼盤は体調を崩しライブ活動を休止する2年前の2003年、新潟のジャズフラッシュでの最後のライブレコーディング。その一生涯を新潟でひっそりと目立たず、だが地方ジャズ色豊かにして尚、日本人としての本質を表現し得た演奏力はふた昔とは比べようがない程、更に、美しく澄み切り自然にスイングする渓流音楽そのもの。1枚千円!これまさにジャズ!



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