盛岡のCafeJazz 開運橋のジョニー 照井顕(てるい けん)

Cafe Jazz 開運橋のジョニー
〒020-0026
盛岡市開運橋通5-9-4F
(開運橋際・MKビル)
TEL/FAX:019-656-8220
OPEN:(火・水)11:00~23:00

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幸遊記NO.381 「盛岡市民文化ホールの奇跡」2018.5.8.盛岡タイムス
 穐吉敏子さんの88歳88鍵記念録音盤「マイ・ロング・イエロー・ロード」というジャズピアノ・ソロ2枚組CDの制作発売をしたスタジオソングスの岩崎哲也氏から「秋吉さんより伝言あり、以降のコンサート、キャンセルして下さいとの事です。時間ある時に電話下さい」とメールが届き、心臓が止まる程驚いた。目の前は一瞬にして真っ暗闇!すると脳は、その原因を突き止めようとするのかパニック状態となって頭の中が真っ白!少し冷静になってからもう1度メールを見れば、岩崎さんからの“未読の先着”メールがあり「秋吉敏子さん入院しました。電話下さい」僕の落度でのキャンセルではなかった!と胸なでおろすと同時に、それは大変!と、彼に電話!すると「袋井市でのコンサート後、ホテルで深夜に具合が悪くなり、救急車で病院に運ばれたらしい」というのだった。
 ああ、どのようにして皆さんに中止を知らせるか。すでに使い込んでいるコンサート経費のこともあり、払い戻しの現金をどうやって工面するか、又僕が担当している福島と横浜の主催者へのキャンセル通知とその対応をどうするか?それより何より、穐吉さんは一体大丈夫なのだろうか?心配で心配でどうしようもなかった。誰にも何も言わず迎えた当日(4月17日)、前売の全員を会場に入れてからドアを閉め、当日券を求めて並んだ30人程の人に初めて実は穐吉さんが会場に来てないのですと知らせ、お帰り頂いたが、それでも会場に入りたいと残った人達もいた。
 開演のベルが鳴り、僕はトボトボと舞台へ出て行き、事の説明。誰もがどん底へ突き落とされたかのように静まり返ってしまったけれども、皆さんそれぞれが、穐吉さんを心配しているのだと、逆に僕の方にひしひし伝わって来るのでした。
 その日は急遽、穐吉コンサートを聴きに来る予定のバンドマン、歌手、ピアニストに声をかけ、演奏してもらうことにした。しかし世界の穐吉を聴きに来るファンの前で代演することのプレッシャーで大変そうでしたが、逆に、それが皆良く作用し、それぞれが名演をやってのけたのですから3ステージとも全アンコール。終演後の払い戻し最中に「最後のアカペラによる穐吉さんの曲、ホープのソロも感動でした!」と涙ながら語る人。そして「絶体絶命のピンチから飛び立つ不死鳥の姿を見ているような最高にドラマチックなコンサートでした」と払戻金を受け取らないで帰る人もいて、ピンチを救われました。



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