盛岡のCafeJazz 開運橋のジョニー 照井顕(てるい けん)

Cafe Jazz 開運橋のジョニー
〒020-0026
盛岡市開運橋通5-9-4F
(開運橋際・MKビル)
TEL/FAX:019-656-8220
OPEN:(火・水)11:00~23:00

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幸遊記NO.267 「新沼好文のシンパシー・ナーヴァス」2016.2.22.盛岡タイムス
 2009年、東京のレコード会社「ウルトラ・ヴァイヴ」がディストリビュートしてくれた僕の自曲自演自唱CD「般若心経・照井顕&テクノ楽団」。その時のテクノ演奏(1997年7月録音)を担当してくれたのが宮古市在住のシンセサイザー奏者・新沼好文さん。あの世界一ポピュラーな、般若心経に勝手な節をつけて僕がギターで歌い、圧倒的な音圧のリズムにのせてシンセサイザーで演奏したそれは「生きるための経(今日)を楽しむ、明日のための今日(経)歌」。
 1970年代、テクノの草創者の一人であった彼は80~90年代「シンパシー・ナーヴァス」「Dr・NUMA」「O2・SOUL」と3つのネームで活躍、特にも95年のベルギーのKKレコードと専属契約を結んだ頃から、ダンスミュージック・テクノとして欧州に紹介され、97年5月には、何と!ラジオ・イタリア・ネットワーク・トップ100にて2週連続No1に輝き、その後もしばらくの間上位にランクされ、LP、カセット、CDなど10作以上が世界のテクノを席巻した。
 「シンセサイザーでやれることは全てやった」と言っていた彼。その原点帰りともいえる世界最古の電子楽器「テルミン」の試作研究を行い2002年から製作を始め、2年後には寒暖の影響を受けないチューニング方式を完成させ野外でも使えるプロ用器種を発売したら全国から注文が来て製作が追い着かない様子でした。テルミンとは、ロシアの物理学者・レオン・テルミンが1920年に発明した電子楽器(高周波を利用し楽器に手を触れずに空中演奏する)。
 そんな彼のスタートとなったのは中学時代、先生に「こんなに聴きやすい電子音楽があるんですよ」と聴かされたNHKFMの試験放送。「それをきっかけに未知の音楽をやってみたくなった」と言っていた。そんな話から僕が担当していたFM岩手の番組の第5週分を彼に譲って、テクノを放送してもらった時期もあった。そして彼のスタジオ兼工房があった宮古市鍬ヶ崎は、あの3・11の津波でさらわれ、町が消えてしまっていた。新沼さんはどうしているのだろうと、何人かに聞いていたら「品川に住んでいる娘さんの所に行っていたらしいが2年前(58才)に亡くなられておりました」と、2015年に探し知らせてくれた人がいた。



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